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心理学「ラポール形成」の意味とは?仕事や恋愛・人間関係を良好に!

カテゴリー
ビジネス
投稿日
2016年12月1日
ラポールとは

お客さんとの関係や社内の人間関係、あるいは女の子との関係まで、コミュニケーションがうまく取れずに苦労している人は多いと思います。もしかすると、その原因は「信頼関係」が築けていないことが原因かもしれません。この信頼関係=ラポールを形成するための方法を紹介します。

こんにちはトリトです。対人関係って難しいですね。仕事の相手や職場内、プライベートでの恋人との関係など、どこかで困ったことがある人も多いのではないでしょうか。今回はそんな悩み解消の一助となるコミュニケーションの方法について紹介します。

「正論」を話す前に「ラポール」を築こう

みなさんは「正論を話しているはずなのに、なぜか同意を得られない」という経験をしたことはないでしょうか。もしかしたらそれは、相手との人間関係の基本的な部分がしっくりいっていないことが原因かもしれません。

心理学には「限定合理性」という考え方があって、これは、人間は一見常に合理的に行動しているようでも、認識能力の限界から完璧に合理的に行動することはできないという意味を持ちます。前述の話に置き換えれば、皆さんの提案がどんなに正しくて、それを受け入れることが最大のメリットだとしても、人間関係が良好でなければ受け入れられないということと同じで、ビジネスや恋愛ではよくありそうなことですね。

そこで大事なのが、今回紹介する「ラポール=信頼関係を形成すること」です。

人間関係をスムーズにするラポールとは?

ラポールは人間関係をスムーズにするために、仕事でも恋愛などのプライベートでもとても重要なコミュニケーション術です。ここでラポールについて簡単に解説しておきましょう。

もともとはカウンセリングの場で使われていた

カウンセリング

ラポール (rapport) 形成とは、セラピストとクライアント(相談する側)がお互いを信頼し自然な感情の交流が行えている状態を意味する、カウンセリング(臨床心理学)の用語です。

「打ち解けて、お互いリラックスした状態」がラポール

リラックス

近年、少子化や核家族世帯の増加によって、ごく幼年期から成人するまで様々な人と交流する機会が減少している傾向にあり、コミュニケーションが苦手な人が増えていると言われています。そういった現状から、「お互いの信頼関係が形成されている」という臨床心理学のラポール形成が注目されるようになりました。

ラポール(=ラポール形成)は、たとえば仕事なら自分とクライアント(交渉相手)、プライベートなら恋人との関係に置き換えられますが、どちらかがセラピスト役を担うわけではなく、お互いに心から打ち解けあって、心身ともにリラックスした状態で人間関係を築けている状態と考えて良いでしょう。

まずは「自分の身体・心理状態」を見つめる

自分の身体

前述のとおり、ラポールのポイントのひとつは「お互いが打ち解けている心理状態」にあることが挙げられます。相手の気持ちを自由にできない以上、まず自分がリラックスした状態でコミュニケーションを取ることが必要とされるので、心身ともにリラックスしていることを確認する方法があると便利ですね。

そこで重要なのは、自分が何をしているときに緊張するかを知ることになります。これは人によって様々ですが、他の人と目が合ったときや、大勢の前で話をしなければならないときなどが考えられるのではないでしょうか。

このように緊張しているときは、他人よりも自分自身に対して意識が向けられている状態であると言えるので、そのときに、意図的に他人(周囲)に意識を向けるトレーニングをすることで、リラックスすることができるようになります。

今日からできる、ラポールの基本となる3つのテクニック

それではここから、ラポールを形成するための基本的なテクニックを3つ紹介します。

ミラーリング

ミラーリング
出典:ニチイロ

ミラーリングは相手の姿勢や動作を真似ることでラポールを形成するテクニックです。人間は自分に似ている存在に親近感を覚えることから、この方法がラポールの形成に有効だと考えられています。「他人」という壁を取り払う行為とも言えそうですね。

たとえば、日本人同士なら挨拶でお辞儀をすることが多いですが、欧米では握手を交わすといったように、各国で挨拶の動作には定番があります。これはお互い同じ動作をすることで価値感を共有し、信頼関係を醸成しているとも考えられるでしょう。

ミラーリング(Mirroring)は、文字通り鏡(Mirror)に写したように相手の動作を真似るという意味がありますが、パントマイムのように厳密に真似る必要はありません。相手が飲み物を口にしたら自分も同じようにするくらいで十分効果的です。

このことからも分かるように、ミラーリングはあくまでもさり気なく行うことが重要で、相手に動作を真似ていると覚られてしまうとかえって不信感を持たれることも考えられます。とくに初めのうちは、やり過ぎないことを念頭においたほうが良さそうですね。

ペーシング

ペーシング

ペーシング(Pacing)でラポールを形成するためには、声のトーンや大きさ、会話の速度、表情などを相手に合わせることが大切です。ペース(Pace)という言葉が使われていますが、それよりも応用範囲が広いことを覚えておきましょう。

テレビのトーク番組などで、ときどきあからさまに声の大きさや高さが違う人がいて、見ていて違和感を感じたことのある人もいるのではないでしょうか。これはその出演者とあなた(視聴者)との間に適切にラポールが形成されていない状態と言えます。

ビジネスにおいてこのようになると、そもそも交渉が始められないという致命的な状態になってしまいます。とは言え相手の話し方を事前に知ることも難しい場合が多いですから、まず当たり障りのない会話をして、ペーシングのきっかけを掴むと良いでしょう。

ペーシングについてもやり過ぎは良くありません。「落ち着いている」など、初めのうちは話し方の雰囲気くらいに考えはいかがでしょうか。ただし一点だけ、声の大きさについては、相手に合わせて大声にすると怒鳴り合っているようになるので注意が必要です。

バックトラッキング

バックトラッキング

相手の言葉(フレーズ)を自分も繰り返して口にすることをバックトラッキング(Backtracking)と呼びます。フレーズをオウム返しにすることで「あなたのことを理解しています」というサインを相手に送り、ラポールを形成するテクニックです。

プライベートでとくに相手が女性の場合は、このバックトラッキングを覚えておくと良いかもしれません。「共感」するのが上手な男性はモテるというウワサがあるほどですから、トリクルマガジン読者なら覚えておきたいですね。「そうだよね」から初めてみては?

ビジネスでラポールを形成したい相手にバックトラッキングを用いるときは、もう少し工夫が必要です。同意に中身を伴わせるために、「最近ゴルフにハマっていてね」に対して、「ゴルフは楽しいですね」のように、自分の言葉をつけ加えてみましょう。

このような要約方法はパラフレーズ(Paraphrase)と呼ばれ、単調なバックトラッキングを繰り返すことで、相手がバカにされているように感じるのを回避するのに役立ちます。パラフレーズのバリエーションがラポールの形成に寄与してくれるとも言えますね。

コミュニケーションの質を一段上げる2つのテクニック

ラポールの形成にはさらに難易度の高い2つのテクニックが存在します。上手く使うとさらに人間関係がスムーズになることが期待できるので、ぜひ習得してみてください。

キャリブレーション

キャリブレーション
出典:gatag ※著作者:walterhoogantink

キャリブレーション(Calibration)のテクニックの要諦は、現在相手がどんな気持ちや心理状態にあるかを言葉以外の部分から判断することにあります。主なものとしては、声のトーンや呼吸の状態、表情、姿勢、動作などを挙げることができます。

これは表情や動作、声の高低など、他人が見聞きできる部分において、記号的な表現があるからこそ成立するテクニックです。自分以外の人の表情を見て、おおよそでも気持ちの判断がつかないと感じるときは、そのあたりからトレーニングしたほうが良いでしょう。

キャリブレーションは相手をよく観察することで可能になるラポールの形成テクニックです。「見ること」や「聞くこと」だけでなく「感じること」も重要なので、感覚を研ぎ澄ませておきたいですね。大事な交渉の前日はよく眠ることなどを心がけましょう。

ビジネスで具体的な商談や打ち合わせをしながら、なおかつキャリブレーションをしようとするなら、頭で考えていてはとても間に合いません。慣れないうちは役割分担をして、二人で商談の席につくなどの工夫をしてみてはいかがでしょうか。

リーディング

リーディング

ここまで紹介してきたラポールによって信頼関係を形成するテクニックは相手に合わせることを主眼にしていましたが、リーディング(Reading)は、それを維持した状態で、さらに自分自身が意図する方向へ相手を導こうという高度なテクニックです。

こういったことが上手な人は、演説などが得意なリーダータイプの人をトップにおいて、サブリーダー的な立場で交渉事を行うと良い成果を得られることが多いようです。マンガや小説でこういったチームワークが描写されるのも理にかなっていると言えそうですね。

それではリーディングが真価を発揮するのはどんなときでしょうか。例としては、相手の誤った思考や理解などを、ラポールを壊さないで修正したいときが考えられます。繊細な方法で簡単ではありませんが、交渉力アップを望むなら覚えておきたいテクニックです。

リーディングで大切なのは、はっきりと相手を否定しないことです。とにかく「まず相手を受け入れる」という気持ちを忘れないでください。それをふまえた上で交渉を自分の望む方向に持っていくという一連の行為が、リーディングの本質だと考えましょう。

ラポールを形成するとどんないいことが起こるのか?

では上手にラポールを形成することによってどのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでそれをお伝えしておきましょう。

クライアントとの交渉がうまくいく

クライアントとの交渉

ラポールを上手に形成することができれば仕事上のコミュニケーションが格段にとりやすくなります。クライアントと商談や打ち合わせをする場合でも、内容が以前と同じであっても、受け入れられ方が目に見えて好転することを実感できるでしょう。

特に営業に携わる人は、キャリブレーションやリーディングを上手に行えるようになると成績アップにつながることが期待できます。他にもいろいろな人と接することの多い弁護士や建築士など士業の人にとっても、ラポールの形成はとても有効です。

このようにラポールを活用することはビジネスにおいてとても有益ですが、相手もそれを知っているという可能性を考えないと思わぬ失敗をするかもしれません。交渉術という側面だけにとらわれず、相手に対して誠意ある態度で接することを心がけてください。

社内の人間関係がうまくいく

社内の人間関係

ラポールの形成は社内の対人関係にもたいへん有効ですから積極的に取り入れたいですね。苦手な上司や同僚にも上手に接することができるのではないでしょうか。また、もし新人研修などを任される立場になったら採用してみるのも良いかもしれません。

社内の人間関係がうまくいくようになれば、それに起因していた日々のストレスも軽減されますから、仕事もスムーズに行えるようになります。退避的な意味での転職の機会が減ることを考えるだけでも、ラポールの形成が大切なのがお分かりいただけると思います。

しかしながら、社内が「ラポールを形成しなければならない」という雰囲気になってしまうと、プレッシャーに感じる人が出てくる可能性もあります。ラポールはその意味を知る人が使うテクニックであり、強要するものではないと考えましょう。

彼女ができる…かも

彼女

ここまで読んでいただければ、円滑なコミュニケーションのためにラポールがいかに大切かお分かりになったと思います。トリクルマガジン読者であれば、もちろんモテテクとしてラポール力を磨いて、恋愛に活かすことを考えたいですね。

恋人同士の関係は、ビジネスよりもずっと感情のウェイトが大きいものです。ラポールの初歩的なテクニックが真似ることだと言っても、たとえば相手が怒っているときにそれを真似るのは良くありません。そんなときは冷静さを保つような柔軟さを持ちましょう。

ラポールの本質=相手の立場に立つこと

すでにお気づきかと思いますが、ラポールの形成は相手がいてはじめて成り立つものです。そういった意味では受動的な行為であり、常に相手に合わせて、自分からは何もアクションを起こさないと考えてしまいがちですが、実はそうではありません。ラポールを積極的に形成しようとする心がまえはとてもポジティブで能動的な行為です。

相手への興味や関心がラポール形成への動機付けになることからも分かるように、それを試みる行為は、その人の人間的な部分に焦点を当てることと同じ意味を持ちます。臨床心理学の権威としてではなく、対等な人間関係としてラポールを形成したいと思うなら、ぜひ相手の立場に立って物事を考えることを意識してみてください。

テクニックというと冷たい感じがしますが、そこに「思いやり」と「誠実さ」のスパイスを加えれば、きった温かい人間関係が築けるはずです。

この記事の記者

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若いころにはステージスタッフの仕事をしながらバックパッカーとして東南アジアやヨーロッパを周遊、今は落ち着いて東京近郊でのんびりウェブライター。